おりものはなぜ生じるのか

おりものとは子宮や膣から分泌される、粘度のある分泌物のことです。「帯下」とも呼びます。女性ホルモンと密接な関係があり、生理周期にあわせて、または妊娠したときなどで、その性状や量が変化します。生理が終わってまもなく、粘度の低いおりものが出はじめ、日を重ねるごとに次第に量が増えていきます。排卵が近くなると、徐々にさらっとしたおりものになり、量もさらに増えていきます。排卵の直前になると、透明で糸を引くような性状になります。排卵後は白色から黄白色の粘度の高いおりものに変化し、量は少なくなります。性的興奮や妊娠をしたときも量が増えます。

おりものには膣の衛生環境を整えたり、精子が通過しやすいようにしたり、子宮内環境を整えたりする役目があります。女性ホルモンと密接に関係しているというのは、こういう仕組みでおりものの性状や量が変化するからです。つまり、卵胞ホルモン(エストロゲン)は卵胞の発育とともに増加しますが、同時に、排卵前に子宮頚管からの分泌物を増やして精子が子宮を通りやすくする役割も持っており、これによって排卵前には粘度の低いおりものが増えます。黄体ホルモン(プロゲステロン)は、子宮内膜を受精卵が着床しやすいように整えます。排卵の少し前から増え始め、主に排卵後に多く分泌されます。そのため、おりものには色がつき、白色から黄白色の粘度の高いおりものに変化します。

おりものはもともと、上記のように女性の妊娠を助ける働きをもっています。特に黄体ホルモン(プロゲステロン)は受精に密接に関わってきますから、卵が受精して子宮内に着床すればずっと分泌しつづけるので、妊娠すると粘度の高い白色もしくは黄白色のおりものが増えます。反対に、受精しなければ、約2週間で分泌は減少し、生理へと子宮内環境は変化してゆくのです。

おりものには膣内環境を整える役割もあります。膣から分泌されるおりものは白色で、主に乳酸菌からできています。膣には子宮への細菌やウィルスの感染を防ぐなどの重要な役割があり、この乳酸菌が膣内を酸性に保って細菌やウィルスの侵入を防ぎます。もし、それらが侵入すると、膣からの分泌物が増え、それらを取り込んで体外へ排出します。そうして、子宮を細菌感染から守るのです。

おりものは性的興奮を覚えたときにも増えます。女性に子宮があるのは新しい命を育み誕生させるためなので、性欲は本能的なものです。膣の前庭にはバルトリン腺と呼ばれる分泌腺があり、性的興奮を覚えたときにバルトリン腺液を分泌して膣分泌液と混ざり、膣内を潤滑にして性交渉を促進します。それで、透明なおりものが増えるのです。